日本郵船株式会社は、運航する自動車専用船において、主に廃食油などを原料とする重油分を含まない純度100%のバイオ燃料(B100)を1年間継続的に使用し、船舶機器への影響や運用上の安全性を検証する長期トライアルを開始したと発表しました。
海運業界では国際的な脱炭素化への要請の高まりを背景に、既存の船舶設備を活用できる「ドロップイン燃料」としてバイオ燃料の導入が進んでいます。同社は2024年にB24を用いたトライアルを実施し、その後 B30まで実使用の範囲を拡大してきましたが、B100を継続使用した場合の検証事例は、現状では十分に蓄積されていません。
品質劣化しやすいB100の長期運用データを取得し、安全運航との両立を検証
今回のトライアルでは、B100を自動車専用船で16間継続的に使用し、エンジンや燃料供給システムへの影響、運用上の留意点などを検証する予定です。B100を始めとする高純度のバイオ燃料は、空気中の酸素や光、熱の影響で品質劣化を生じやすい特性があるため、運用面での影響が懸念されています。実運航を通じた長期データの取得を通じて、今後の高純度バイオ燃料の活用と安全運航の両立に資する技術的知見の蓄積を目指します。
ライフサイクル全体でGHG削減効果、今後も技術検証を重ねる方針
バイオ燃料は、Well-to-Wakeで見た場合、従来の化石燃料と比較しGHG排出削減効果のある燃料です。同社は、本トライアルで得られる知見を基に、今後も技術的検証を重ねながら、持続可能な海上輸送の実現に向けた取組みを進めていきます。