オーストラリア政府系金融機関クリーンエネルギー金融公社(CEFC)は2025年12月11日、コンサルティング会社Baringaと共同で作成した報告書「Getting the balance right: Data centre growth and the energy transition」を公表し、データセンター(DC)が2035年までに豪州の総電力消費の最大11%を占める可能性があると予測しました。現在の約1%から大幅に上昇する見通しです。
AI・クラウドコンピューティング・デジタルインフラ需要の拡大を背景にDC分野には今後10年間で850億~1,350億豪ドルの投資が見込まれ、設備容量は現在の1.35GWから2035年には4.7GW~7.4GWへと最大約5倍に拡大するとしています。CEFCインフラ部門責任者のジュリア・ヒンウッド氏は「適切な政策とエネルギー貯蔵、再エネへの早期投資により、電力網や価格への悪影響を回避しつつ成長産業の恩恵を享受できる」と述べています。
追加投資なしでは電気料金・排出量に悪影響
報告書によると、追加の再エネ・蓄電池投資がない場合、2035年までにDC拡大によりニューサウスウェールズ(NSW)州の卸電力価格は26%、ビクトリア州は23%上昇し、NEM全体の系統排出量も14%(年間600万トン)増加する可能性があるとしています。一方、2035年までに再エネ3.2GWと蓄電池1.9GWを追加導入すれば、価格上昇と排出量増加を大幅に抑制できるとしています。
シドニーへの集中とAI主導の成長
計画容量の約半分がシドニーに集中し、メルボルンが全国容量の約25%を占める見通しです。新設施設の最大84%がAI用途を想定し、65%が大規模なハイパースケール型になるとされ、DC基盤によるAI・自動化は2030年までに最大6,000億豪ドルのGDP押し上げ効果があるとしています。