米連邦議会下院エネルギー・商業委員会のブレット・ガスリー委員長(共和党)は2026年6月30日、超党派の「料金支払者保護法案(Ratepayer Protection Act、H.R.9340)」を、2026年7月1日開催の全体委員会審議(マークアップ)の対象9法案の一つに含めると発表しました。同法案は6月18日、共和党のゲイブ・エバンス下院議員と民主党のキャシー・キャスター下院議員が共同で提出しました。
法案は、1978年公益事業規制政策法(PURPA)第111条(d)を改正し、データセンターなど大口需要家向けの連邦基準を新設するものです。単一拠点でのピーク需要が合計100メガワット(MW)以上となる非居住用の電力需要家を「大口需要家」と定義し、州の規制当局に対し、その接続に必要となる発電・送電・配電設備の増分費用を当該需要家から回収する料金制度の検討を義務付けます。
法案の主な内容
大口需要家向けの設備増強を行う前に、電力会社は当該需要家に費用を賄うための財務保証や拠出を求めることも規定しています。州の規制当局は、法律施行から1年以内に基準の検討を開始し、2年以内に検討・決定を完了することが求められます。ただし施行前に同等の基準を既に導入済み、または導入検討の手続きを行った州は適用対象外です。
専門紙POLITICOによれば、マイクロソフトとグーグルは同法案を支持しており、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)も法案の趣旨に賛同しているとされています。一方、州が基準採用を見送る余地があるため実効性に限界があるとの指摘や、料金負担の枠組みだけでは電力需要や水使用など地域への影響に対応できないとの批判も報じられています。
今後の見通し
大口需要家への全額費用負担や過度に厳格な財務保証がデータセンター投資を抑制しかねないとの懸念も伝えられています。ガスリー委員長は、夏季休会前の下院本会議での可決を目指す方針を示しています。