タイ政府の副首相兼天然資源環境省大臣スチャート・チョムクリン氏は2025年11月4日、内閣が新たな「国が決定する貢献」第2版(NDC 3.0)を承認したと発表しました。今回の承認により、同国のネットゼロ目標達成時期は15年前倒しされ、パリ協定の1.5℃目標経路に整合する内容となります。アヌティン・チャーンウィーラクン首相が議会で表明した政府方針第13項「低炭素社会の推進」に基づく取り組みです。
NDC3.0では、経済全体を対象に2035年までの温室効果ガス排出量を削減するとともに、森林・土地利用(LULUCF)分野の吸収目標も引き上げます。これにより、同国の純排出量は2019年比47%減となる1億5,200万トンCO2換算に抑えられる見通しです。あわせて、パリ協定の枠組みの下、追加で3,280万トンCO2換算の削減を支援する海外投資2,300億THBを呼び込む投資計画も策定しています。
経済的な意義
スチャート氏は、NDC3.0の目標引き上げはアヌティン首相の指示に基づく取り組みの加速であり、政府が議会に表明した方針を早期に達成するためのものだと強調しました。また、国際貿易における競争力の強化やグリーン投資の呼び込み、低炭素型経済への移行に伴う新規雇用の創出など、タイにとって大きな経済的機会になるとの認識を示しています。
提出と今後の展開
気候変動環境局(DCCE)は11月4日午後、NDC3.0をUNFCCC事務局に提出しました。ブラジル・ベレンで開催されるCOP30でも正式に表明する予定です。同局は関係機関と連携し、目標を具体的な行動に移すための行動計画(アクションプラン)の策定を急ぐとともに、透明性と迅速性を確保するためデジタル追跡システムとの連携も進めるとしています。