中国の大手発電会社である中国華能集団(Huaneng)は2025年12月9日、傘下の華能華東分公司が運営する上海ガスタービン発電所2号機において、中国初となる「ガスタービン発電スマート自律運転制御システム」の商業運転を開始したと発表しました。起動・系統併入・負荷調整・停止までの一連の運転をAIが自律的に制御する国内初の事例で、国営中央テレビ(CCTV)のニュース番組でも報じられました。
従来、ガスタービンは起動・停止時に運転パラメータが急激に変化するため、豊富な経験を持つ運転員による常時監視と細かな操作が不可欠とされてきました。今回のシステム導入により、運転員は起動・停止の指令を出す以外の介入を必要とせず、人為的操作に伴う誤差やリスクを回避できるとしています。試運転では冷態・熱態の代表的な起動停止パターンによる循環試験を実施し、主要運転パラメータの達成率は100%を記録しました。
開発を担った西安熱工研究院とAI活用の仕組み
本システムは華能グループ傘下の華能西安熱工研究院が自主開発したもので、AI大規模モデルと発電機構モデルを組み合わせています。稼働中の大量の運転データを自動収集・解析することで設備状態を精密に把握し、運転状況の変化を事前に予測したうえで、複雑な場面でも制御戦略を能動的に調整できる点が特徴です。
中国火力発電の「知能化」転換における位置づけ
華能集団はこの取り組みについて、中国の火力発電技術が「従来型の人的監視」から「知能自律運転」の段階へ移行する節目になるとしており、伝統的なエネルギー産業のデジタル化・知能化転換を加速し、新型電力システムの構築に向けた新たな知能化ソリューションを提供するものと位置づけています。
出典:https://www.cpnn.com.cn/news/dianli2023/202512/t20251210_1852380.html