アイルランドの公益事業規制委員会(CRU)は2025年12月12日、データセンター(DC)向けの新たな電力系統接続方針を公表しました。今年2月に公表した方針案に対する幅広い関係者との協議、および関係省庁との対話を経て決定したもので、新設DCに対し年間電力需要の少なくとも80%を、アイルランド国内で新たに開発する再エネ発電設備で賄うことを義務付けます。
新方針の背景には、DC由来の電力需要が国内総需要に占める割合が2015年の5%から2024年には22%まで拡大した実態があります。系統運用者EirGridの予測では、既契約分だけでもDCの電力需要は2025年の9.4TWhから2034年には14.6TWhへと倍増し、国内総需要に占める割合は2034年に31%へ達する見通しです。
再エネの「新規性」を重視、6年の移行期間も設定
再エネ調達要件では「新規性」が重視され、REFITやRESS、ORESSなど既存の支援制度に基づき契約済みの発電設備は対象外とされます。DC事業者には再エネ発電設備の開発期間を考慮し6年間の移行期間(グライドパス)が認められる一方、系統運用者のEirGridおよびESBネットワークスに対し、関連する再エネプロジェクトの開発計画を提示することが求められます。
あわせて新方針では、新設DCにオンサイトまたは近隣での発電・蓄電設備の確保を引き続き求める発電要件や、系統制約の有無を個別案件ごとに精査する立地要件も盛り込まれました。系統運用者は2026年3月31日までに、DC接続の申請・接続プロセスを公表する予定です。CRUは、DC産業の中長期的な発展には空間計画や開発目標、計画主導型のインフラ整備を含む国家主導のアプローチが必要との見解を示し、今後も国のこうした計画策定を情報提供・支援していく方針です。