ロシア国営原子力企業ロスアトム傘下ロスアトム・エナジー・プロジェクツのアレクサンドル・ツィブーリャ事業ディレクターは2025年10月16日、クアラルンプールで開催されたASEANエネルギービジネスフォーラム2025(AEBF2025)のパネルセッションで、マレーシアが2031年までの原子力発電導入において、まず浮体式原子力発電ユニット(FPU)から着手する可能性があると述べました。
同氏は「マレーシア政府は2031年までに小規模でも原子力容量を国内に持つとの方針を決定している」と説明し、FPUはマレー半島・東マレーシア双方の沿岸に配備可能で、同国にとって最も現実的かつタイムリーな選択肢になるとの見方を示しました。マレーシアは第13次マレーシア計画(13MP、2025年7月公表)に基づき、IAEAの枠組みに沿って国営MyPower Corpを統括機関とする原子力発電導入プログラムを進めています。
急速な工業化とデータセンター建設の進展により電力需要が急増する半島部については、1,200MW級の大型炉2基分の容量を電力系統に組み込める余地があると指摘。一方、送電網の規模が小さく大半の地域が海沿いに位置する東マレーシアでは、小規模な陸上施設も選択肢となり得るものの、FPUがより適した解決策になるとしています。同フォーラムでは、ASEANエネルギーセンター(ACE)とロスアトム・インターナショナル・ネットワークが、原子力技術に関する国民の意識向上、科学・人的資源の開発、インフラ整備、ASEAN諸国の将来のエネルギーミックスにおける原子力の貢献度評価に向けた調査研究などを内容とする協力覚書に署名しました。