米国のPJM Interconnection理事会は2026年1月16日、データセンターなど単一連系点で50MW以上の「大規模負荷追加」を対象に、自ら新規電源を持ち込む事業者向けの任意プログラム「Bring Your Own New Generation(BYONG)」と、それに伴走する「迅速連系トラック(Expedited Interconnection Track, EIT)」の整備を決定したと発表しました。同日付でPJM理事会がステークホルダーに送付した決定書レターの一部です。
BYONGは、電気小売事業者(LSE)や大規模負荷、州がELCCベースで自らの負荷追加分を相殺する新規電源を持ち込むことを任意で認める枠組みです。PJMはLSEとの関係に基づいて制度設計を行う一方、個々の小売顧客への適用方法は州の権限とされています。
迅速連系トラック(EIT)の仕組み
EITは通常の連系キューとは別枠で並行運用される新設トラックで、申請から10ヶ月で発電事業者連系契約(GIA)締結まで進めることを目指します。対象は250MW(UCAP)超の大規模電源で、蓄電池を含む全燃料種が対象となり、申請から3年以内の商用運転開始が条件です。申請時には50万ドルの返金不可の審査保証金に加え、負荷と対となる場合は1kWあたり1万ドル、対とならない場合は1kWあたり2万ドルの準備保証金が必要です。年間の申請受付は10プロジェクトまでに上限を設け、必要な網上げ工事費用は全額EIT事業者の負担とし、他のプロジェクトとの費用分担は行いません。PJMはこのEITを2026年8月までに整備する方針です。
BYONGを選ばない負荷の取扱いと州知事連携
LSEが負荷追加分を相殺する新規電源を確保できない場合には、「Connect and Manage」方式が適用されます。この場合の増分需要は、非常時デマンドレスポンス(DR)発動に先立ち、より早い段階で切り離しの対象とされます。これによりDRの事業モデルを損なわずに保存しつつ、新規負荷に容量確保や柔軟性提供を促すインセンティブとして機能させる狙いです。なお、どの負荷を実際に切り離すかの決定権限は送電事業者(TO)やLSEにあり、PJMは切り離しが必要な量の算定のみを行います。またペンシルベニア州・バージニア州・ニュージャージー州・メリーランド州知事らがデータセンター業界団体やExelon、PPLと共同で進めるBYONG促進の取組みも、州レベルの重要な接続施策として言及されています。